栃木出身者が仰天した、東京の盆踊り風景
平成最後の夏、盆踊りはここまで進化し!
■『きよしのズンドコ節』『無音盆踊り』も。
これを機に、地方出身者に話を聞くと、それぞれの土地で使用される楽曲が異なることが判明。各地の民謡を使うところもあれば、『アラレちゃん音頭』のようなアニメソングを使う地方もあった。
さらに最近では、歌謡曲やJ-POPまで盆踊りに使われているので驚きだ。現在、筆者が住む首都圏郊外の祭りでは、『きよしのズンドコ節』(氷川きよし)が流れていた。これに合わせて地元の人々が踊っているのだが、振り付けはどこで覚えるのだろうか。気になって尋ねたところ、町内で講習会を開いたりしているとのことだった。
最近では、「無音盆踊り」というものまで登場している。人々は櫓の周りで踊っているのだが、曲は一切、聴こえてこない。それでも動きが合わせられる秘密は、踊り手の耳につけられたイヤホンにある。こうして踊り手には曲が聴こえるけれど、周囲には聴こえないという工夫が凝らされていたのだ。騒音対策や集客狙いなどさまざまな説が浮上するが、とてもシュールな光景である。
死者の供養のために捧げた踊りが娯楽へと発展し、使用する楽曲やスタイルにも変化が見られるようになった。平成最後の夏が終わり、新たな時代を迎えるときには、盆踊りはさらに進化しているのかもしれない。
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